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個人再生手続を行った場合に圧縮・減額できる借金の金額について2022-10-28 17:00

カテゴリ: 個人再生

 大阪本町の法律事務所、リトラス弁護士法人の弁護士の山下翔です。

 今回は、借金を減額するために行う債務整理である個人再生手続をについて、解説したいと思います。

 債務整理のうち、個人再生について、自己破産と異なり債務(借金)がすべて免除になるわけではなく、圧縮・減額された金額を返済していくことになります。

 個人再生を行った場合に、手続きが完了した後に、どれくらいの金額を返済していくことになるのかについてご説明いたします。

1 債務(借金)の圧縮(減額)

 債務整理のうち、任意整理については、利息をなくしてもらったり、返済期間を伸ばしてもらうなどして、月々の返済金額や総返済額を減らす手続きです。

 任意整理の場合、原則として、借金の元金については全額返していくことになります。

 債務整理のうち、自己破産については、すべての債務について免責を受ける、つまり、借金を免除してもらうことになりますので、借金の元金も含め、すべての借金は返済する必要がなくなります。

 個人再生は、いわば、任意整理と自己破産の中間のような手続きで、借金を全く返す必要がなくなるわけではありませんが、返済する金額を減らしてもらうことができます。

 どれだけ減らしてもらうことができるかについては、法律上、決められた最低弁済額(手続き後に返済していく必要がある金額)の基準があります。

2 借金の総額に応じた最低弁済額の基準

 民事再生法231条第2項では、以下のとおり定められています。

 小規模個人再生においては、裁判所は、次の各号のいずれかに該当する場合にも、再生計画不認可の決定をする。

二 無異議債権の額及び評価済債権の額の総額(住宅資金貸付債権の額、別除権の行使によって弁済を受けることができると見込まれる再生債権の額及び第八十四条第二項に掲げる請求権の額を除く。)が五千万円を超えているとき。

三 前号に規定する無異議債権の額及び評価済債権の額の総額が三千万円を超え五千万円以下の場合においては、当該無異議債権及び評価済債権(別除権の行使によって弁済を受けることができると見込まれる再生債権及び第八十四条第二項各号に掲げる請求権を除く。以下「基準債権」という。)に対する再生計画に基づく弁済の総額(以下「計画弁済総額」という。)が当該無異議債権の額及び評価済債権の額の総額の十分の一を下回っているとき。

四 第二号に規定する無異議債権の額及び評価済債権の額の総額が三千万円以下の場合においては、計画弁済総額が基準債権の総額の五分の一又は百万円のいずれか多い額(基準債権の総額が百万円を下回っているときは基準債権の総額、基準債権の総額の五分の一が三百万円を超えるときは三百万円)を下回っているとき。

五 再生債務者が債権者一覧表に住宅資金特別条項を定めた再生計画案を提出する意思がある旨の記載をした場合において、再生計画に住宅資金特別条項の定めがないとき。

 分かりやすくするために分解すると、債務が通常の借金のみである場合は、概要、以下のとおりです。

① 借金総額が3000万円超~5000万円以下 借金総額の10分の1

② 借金総額が1500万円以上3000万円未満 300万円

③ 借金総額が500万円以上1500万円未満  借金総額の5分の1

④ 借金総額が100万円以上500万円未満   100万円

 なお、借金総額が100万円未満の場合には借金の額は減額されないことになります。

 また、借金総額が5000万円を超える場合には、そもそも、個人再生の手続を利用することはできません。

3 資産の額に応じた最低弁済額の基準

 また、個人再生手続きでは、手続き後に返済していく金額は、破産したと仮定した場合の配当額を上回っていなければなりません。

 そのため、個人再生手続きを行う場合には、申立の時点で持っている財産のすべてについて、その金額を確認して、裁判所に申告しなければなりません。

 借金総額から計算した最低弁済額よりも、申立の時点で持っている財産の価値が上回ってしまう場合には、少なくとも、その財産の価値と同じだけの金額は、返済しなければならないということになります。

4 給与所得者等再生の場合のもう一つの基準

 個人再生には、小規模個人再生という手続きと、給与所得者等再生という手続きがあります。

 小規模個人再生の場合は、上記の二つの基準で最低弁済額が決まりますが、給与所得者等再生の場合には、もう一つ、弁済総額が可処分所得の2年分以上でなければならないという基準があります。

 可処分所得については、細かい計算がありますので別途ご説明差し上げますが、おおまかには、2年分の収入から、税金や社会保険料等を控除したうえ、生活を維持するために必要な金額を差し引いた金額です。

5 最後に

 個人再生を行う場合には、上記のような基準をもとに、最低弁済額を算定することになりますが、厳密にはもう少し詳細な検討が必要になります。

 個人再生を行うことを検討されている方は、借金や資産に関する資料を集め、どの程度の借金を圧縮・減額してもらうことができそうか、弁護士に相談することをおすすめします。

 当事務所でも、個人再生手続に関するご相談をお受けしておりますので、お気軽にお問合せいただければと存じます。

大阪市西区西本町の法律事務所 リトラス弁護士法人 

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