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相続問題 相続放棄の概要2022-02-15 00:00

カテゴリ: お知らせ

大阪市西区西本町の法律事務所、リトラス弁護士法人の弁護士の山下翔です。

ブログをサボっていましたが、そろそろ少しずつ更新していきます…

最近、相続放棄について立て続けにご相談いただくことがありましたので、今回は、相続放棄についてまとめたいと思います。

1 相続放棄をする事情について

配偶者(夫・妻)、両親(父・母)、子、兄弟等の親族がお亡くなりになった場合、相続人になる可能性があります。

相続人になるということは、お亡くなりになった方の財産の引き継ぐことになります。

引き継ぐ財産には、プラスの資産だけでなく、マイナスの借金・債務も含まれます。

プラスの資産よりもマイナスの債務の方が多額である場合には、相続人として財産を引き継ぎたくはないと考える方が多いだろうと思います。

その他にも、手続きが面倒とか、話し合いが負担であるなど、様々な事情から相続に関わりたくないと考えることもありうるでしょう。

このように、相続人であるが、相続には一切関わりたくないということであれば、相続放棄の申述の手続をすることになります。

2 相続放棄の手続について

相続放棄の方式については、民法938条で、「相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。」と定められています。

相続放棄の申述の手続については、申述書と必要な添付書類を家庭裁判所に提出するだけです。

基本的には、改めて裁判所に出頭するよう求められることはありません。

相続の放棄の効力については、民法940条で「相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。」と定められています。若干の例外はありますが、基本的には、最初から相続人ではなかったことになるのだと考えていただければ結構です。

最初から相続人ではなかったのですから、プラスの資産も、マイナスの借金・債務も一切何も引き継ぐことはありません。

相続放棄の申述ができる期間については、民法915条1項に、「相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。」と定められています。

色々と例外はありますが、基本的には、親族がお亡くなりになったことを知ってから3か月以内には手続しておく必要があると考えていただければ結構です。

3 相続放棄ができなくなる場合について

⑴ 熟慮期間が経過したとき

相続放棄の申述には、上記のとおり、3か月の期間制限があります。

そして、この期間内に相続放棄の申述をしなかったときについては、民法921条2号で、「相続人が第九百十五条第一項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき」は、「相続人は単純承認をしたものとみなす。」と定められています。

相続放棄等の手続を何もしないまま、期間が過ぎてしまうと、単純承認、つまり、相続人として財産を引き継ぐことは認めたものと扱われ、相続放棄はすることができなくなるということです。

しかし、種々の事情から、3か月以内には承認するか相続放棄するかを決めることができないという場合もあります。

このような場合には、3か月以上に期間を伸長(延長)することもできます。

なお、「期間を伸ばす」だけなので、終わってしまったものは伸ばせませんから、この期間伸長の申立て自体も3か月以内に行う必要があります。

また、3か月以上経ってから、それまで全く把握していなかった借金があることが判明したということが時々あります。

このような場合には、借金が判明してから3か月以内であれば、相続放棄をすることができる可能性があります。

⑵ 遺産を処分したり、隠す等したとき

民法921条1号で、「相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。」は、「相続人は単純承認をしたものとみなす。」と定められています。

「処分」の意味については、遺産を売却するなどの法律上の処分はもちろん、物品を壊すなどの事実上の処分も含むものとされています。

預金や不動産の名義を変更したり、株や不動産を売却するなど、遺産を処分してしまったときは、相続人として財産の引き継ぐことが前提なので、相続放棄はできなくなるということです。

民法921条3号で、「相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。」は、「相続人は単純承認をしたものとみなす。」と定められています。

形見分けとして高価なものまで含めて遺品をすべて持ち帰ったりすると遺産を「隠匿」したものと判断される可能性があります。

厳密ではありませんが、相続放棄を検討する場合には、基本的に、お亡くなりになった方の資産については一切触らないほうがよい、と思っておいていただければと思います。

5 本当に相続放棄をする必要があるのか

相続放棄をする動機として、最も多いのは、資産よりも債務のほうが多いので承継したくないという場合かと思います。

債務については色々なものがありますが、例えば、大きい金額のもので比較的多くの方が抱えているものとしては、住宅ローン債務があるかと思います。住宅ローンについては、団体信用生命保険(団信)に加入されていることが多いと思いますので、相続放棄をしないほうがよい状況である可能性があります。

加入の有無については、住宅ローンを組んだ金融機関にご確認いただければと思います。

また、借金を返さないまま、長期間が経過している場合には、時効が成立している可能性もあります。この場合には、時効を援用することで返済の必要がなくなるため、相続放棄をしないほうがよい状況であることもあります。

その他の様々な事情で相続放棄を検討している場合も、本当に相続放棄をすることが目的に沿っているのか、他の手段のほうがより良いのではないかということもありえます。

人それぞれに状況は違ってくるので、その方の置かれた具体的な状況によって、最適な手段も違ってきます。

実際に相続に関する問題を抱えている方は、まずは、弁護士にご相談いただくことをお勧めします。

 

当事務所でも、相続に関するご相談は、初回は無料でお受けしておりますので、お気軽にお問合せいただければと存じます。

 

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