任意整理は、裁判所を利用することなく、各債権者との間で任意交渉して和解を成立させる手続です。
返済の条件については、相手方となる債権者に同意・承諾をしてもらう必要があり、こちらが希望する条件で、債権者が和解に応じてくれるとは限りません。
どのような内容の和解に応じてもらえるかについては、相手方とする債権者がどこの会社か、借入期間はどの程度か等の具体的な状況によって様々です。
その中でも、相手方とする債権者がどこの会社かによって、ある程度の傾向があるため、任意整理を行う場合には、その傾向について確認しておく必要があります。
今回は、PayPayカード株式会社(旧ワイジェイカード株式会社・ヤフーカード)について、任意整理を行う場合の傾向をご説明いたします。
なお、同じ相手方であっても、昔と今では傾向が異なり、最近も傾向に移り変わりがありますので、実際に債務整理を行おうとする時点では、今回のご説明とは傾向が変わっている可能性もあります。今回のご説明については、あくまでも目安としていただき、実際に任意整理を行おうとする場合には、弁護士に直接ご相談いただければと存じます。
1 分割の回数
基本的に、5年(60回払い)の分割に応じてもらえます。
5年(60回払い)を超える分割に応じてもらうことは難しいようです。
2 経過利息・遅延損害金(和解までにかかった利息等)
PayPayカード側からの回答までの利息のみで応じてもらえます。
直近の事案でも、回答までの利息のみで、それ以降和解が成立するまでの利息はカットしてもらえています。
3 将来利息(和解後、完済までにかかる利息)
基本的に、将来利息の全額カットに応じてもらえます。
今のところ、私自身が担当した限りでは、将来利息を求められたことはありません。
4 その他
支払開始は原則として翌月末ですが、翌々月末にも応じてもらえます。
直近の事案でも翌々月末までは応じてもらえましたが、それ以上先にすることは難しいようでした。
手取り収入額、返済原資、勤務先名称・電話番号のみ確認されました。